2026年2月26日 売主と飼主

早朝、残材の搬出作業。全面道路で縁日みたいな催しがあるので、早く済ませないと車両が入れなくなってしまう。前日に職人さんが準備をしておいてくれたのでスムーズに完了。先日した止水工事も問題なし。

今日は私は居るだけでやる事は少ないので、建築と不動産の間の本を読み進める。ブログにも書く事が少ないので、今考えているこれから取り組もうと思っている事業について書く事にする。

店舗住宅設計施工の仕事は作る事だが、実はその前には「壊す」がある。建築を仕事にしていると、解体工事は身近だが、解体と建築の間には一本の境界線がある。発注者が違う場合が多いのだ。例えばテナントの場合は、現状復帰という契約内容があって、基本的には前の使用者が解体してから次の使用者が内装工事をする。建物の場合は、売主が解体して更地にしてから買主が新築をする。中古物件の場合でも、売主が家の中を綺麗に片付けてから買主が改装をする。

要するに解体や片付けは、前使用者の権限で、「建築」は新しい使用者の権限という事になる。土地や建物を手放す場合、建築家に相談する人は少ない。たいていの場合は所有者が亡くなった事を引き金に財産の整理をする事が目的になるので不動産屋や司法書士に話がいく。そうすると、建物はまず壊される事になり、中の家財や残置物は産業廃棄物処分 になる。

私は建築家だけど工務店で、古物商でもあるので、不動産の処分を考え出したところから関与していきたいと考えている。建物は改装して違う人に買ってもらえるかもしれないし、古材として使える材料があるかもしれない。ゴミは古物として誰かの手に渡るかもしれないし、残置物は古物市場に出せばお金になるかもしれない。解体屋も、司法書士も、行政書士も、弁護士も、古物商も、不動産屋も、協力してくれる親切な業者を沢山知っているので、売主と買主と業者をうまく繋げたらと思っている。

先日、古い家を引き継ぐ場面に偶然立ち会えた。私は買主側の人間としてその場に居合わせる事ができた。その時の売主は、自分の思い入れのある家をそのまま使ってくれる人を探していた。私はその場にいられた事が、「運がいい」と思った。思い入れがある建物が、それを使いたい人と繋がれた事が「希少な事」だと知っているからだ。

不動産屋は売りたいし、解体屋は効率よく壊したい。古物屋は必要な物だけもらいたいし、建築屋は売上を上げたい。皆んな自分の利益のために人に手を貸す。当たり前だと思う。自分もそうだ。

別に慈善事業をやりたいわけではない。「運のいい人」が多少増える程度だろうと思う。でも相続、古物引き取り、片付け、解体、改装、販売を一括して相談できる事は発注者にもメリットはあると思う。

というわけで、長くなったが、そういう事をやっていきたい。建物を手放そうと思ったり、手放さなくてはいけないのでは、と感じたらまずはご相談ください。

思い入れのある建物だから壊されたくない。という思いもあるし、思い入れのある建物だから他の人に使われるのは辛い。という思いもある。解体される建物を見て涙する持ち主の顔も何度も見たし、片付けるのが進まなくて苦しむ姿も沢山見た。それを救えるとは思ってないけど、多少楽をさせてあげる事はできると思う。建築と不動産とゴミと古物の間でお待ちしてます。

ってのが先日の飼い主の独り言。ワン。

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